政治・経済

安曇野市商工会 商議所への移行目指す 総代会で決議 独立性、自立性高める

商工会議所への移行を目指し検討を始めることを決めた通常総代会

  安曇野市商工会が、商工会議所への移行を目指し動き出す。市役所で23日に開いた通常総代会で、商工会議所の設立手続きや運営シミュレーションについて検討することを重点方針に掲げた本年度事業計画を決議した。移行によって財政の健全化を図り、都市規模にふさわしい経済団体として国や県、市などへ政策提言や要望活動を展開できる独立性と自立性を高める狙い。

 運営財源の5割超を公的資金が占める中、県が県商工会連合会を介し各商工会へ配分する補助金の減額が見込まれていることを念頭に、移行を「自己改革を推進する選択肢」と位置付ける。補助金に依存せず、会費収入を主とする自己財源比率を高め、財政基盤を強化したい考えだ。髙橋秀生会長はあいさつで「財政状況が年々厳しくなることが予想され、何もしないでいることはできない。移行が組織改革の一手となるかどうか、具体的な検討を進めたい」と審議を求めた。
 移行年度について、髙橋会長は取材に「補助金収入の見通しを踏まえると、令和11年度までを一つの期限と考えている」と述べた。同商工会事務局は「本年度はまず設立必要性への認識、研究を深め、方向性を探る一年になる」とする。
 商工会議所法は、会員資格を持つ30人以上の発起人が創立総会を開くことや、従業員数20人以上か資本金300万円以上の商工業者「特定商工業者」の過半数の同意、経済産業大臣への認可申請といった設立基準、要件を定める。直近で平成28(2016)年に越谷市商工会から移行、誕生した越谷商工会議所(埼玉県)の事例を参考に道筋を描く。本年度収支予算に、移行に関わる調査・視察など「研究事業費」として50万円を計上した。
 商工会法に基づき主に町村部に設立され、小規模事業者支援に重点を置く商工会に対し、商工会議所は、原則として市を区域に組織し、事業範囲も広い。県内では19市のうち安曇野市と東御市を除く17市に商工会議所がある。
 市商工会は、旧5町村の各商工会が合併し、市誕生から1年半後の平成19年に設立された。昨年7月時点で商工業者3359件のうち52・7%(1772件)が加入する。