大人との練習で音色に厚み 丘中の吹奏楽部

塩尻市の丘中学校吹奏楽部が、地域の大人の楽器演奏者との合同練習を重ねている。コンテストに向けた練習で学校外から奏者を招くのは珍しくないが、より継続的な関係づくりを視野に入れる。部活動の地域移行も念頭に、楽器演奏に取り組むという共通項を持つ大人たちとの関係を深めている。
11日は塩尻や松本の吹奏楽団のメンバー、小中学校の教師ら13人が同校に訪れた。ホルストの組曲・惑星のうち「木星」の吹奏楽版を、同じ楽器を演奏する部員と練習した上で、合同演奏もした。
昨秋以降、新人戦に当たるコンテストに向け、大人の演奏者を招いた。部員が1年生と2年生の16人だった今年2月には、大人を交えて、マーチの「星条旗よ永遠なれ」、ポップス「銀河鉄道999」を練習し、40人は必要とされる吹奏楽の演奏の醍醐味を感じた。
クラリネットを担当する太田瑞季部長(14)は「基礎を教えてもらえ、上手になれる。知らないことが話題に出て楽しい」と喜ぶ。塩尻市民吹奏楽団でトランペットを演奏している会社員・佐竹晶宙さん(47)は「人に教えるのは、自分の基本を見つめ直すいい機会にもなる」と話した。
吹奏楽や音楽の本来の楽しさを、部員に味わわせたいという思いが、森口美幸顧問にはある。吹奏楽部は6月以降、対外的な演奏の機会を控えており、「木星」も演奏する予定だ。
部活動の地域移行を見越した動きでもある。森口さんは「ゆくゆくは地域移行になる。それに向けた土台づくりにもなると考えている。すぐにはできないだろうが、人のつながりを培っていきたい」と話す。今後も、大人を交えた練習の機会をつくり、その先の発表の機会も探っていく考えでいる。