首用の保冷剤 使う前に点検しよう!

早くも松本地方で真夏日を記録し、今年も厳しい暑さが懸念される中、活躍が期待されるのがネッククーラーなどと呼ばれるリング状の首用保冷剤だ。手軽さや利便性から近年急速に普及し、装着する人を多く見かけるようになった。ただ、久々に使用する際に劣化や液漏れに気付かず、トラブルにつながるケースもあるという。専門機関は使用前のチェックを呼び掛けている。
松本の最高気温が32.5度まで上がり、今季初の真夏日を観測した20日、記者が昨年購入したネッククーラーを保管場所から取り出すと、油のようなものにまみれているのに気が付いた。よく見ると中の液体が漏れ出し、本体を入れていたビニールケースも変形している。製造元に問い合わせると「液体がついた手は石けんでよく洗い、本体を切ったり中身を流したりせずリサイクルできないプラスチックごみとして処分して」とのことだった。
松本市消費生活センターにはネッククーラーを含めた冷却グッズの相談は過去3年間寄せられていないが、消費者庁の事故情報データバンクでは全国の同様の事例が公開されている。おおむね28度以下で凍結し、冷えすぎず結露もしないネッククーラーは子供からお年寄りまで使用され、事故報告の世代も幅広い。
化学製品の事故や苦情の相談に対応する、化学製品PL相談センター(東京都)によると、多くのネッククーラーは「相転移物質」を指す「PCM」を素材として表記するが、具体的には炭化水素の一種が用いられているという。刺激性は少ないが肌に付くとかぶれる人がいるほか、製品自体は油成分なので落ちにくい。固体の状態では液漏れに気付きにくいため「久々に使用する際は一度液体の状態に戻し、異常がないか確認を」と呼び掛けている。