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能登地震被災地支援 再利用ランドセル390個集まる 松本のココ・リンク呼び掛け

店に寄せられたランドセルを手に大勢の協力に感謝する吉澤さん

 能登半島地震で被災した子供たちに無償でランドセルを届けようと、制服のリユース専門店「ココ・リンク」(松本市双葉)が、松本地域を中心に不要になったランドセル390個を集めた。店を経営する吉澤梢さん(43)は、たくさんの協力に「預けていただいたランドセルを、責任を持って贈りたい」と話している。

 店のSNSや、制服リユースで連携する松本市の筑摩野中学校、吉澤さんの長男が通う信明中学校を通じて寄贈を呼びかけた。信明中は生徒会が間に立ち、筑摩野中ではPTAの代替組織「筑中りんどう会」が120個を集めた。
 1月17日に回収を始めてすぐに想定の150個を超えた。子供の卒業でランドセルの取り扱いに悩む親や、震災直後で支援を模索する人が寄せた。「大事にしていた物が役に立つ機会をありがとう」などという手紙やメールも届いた。
 同店は不要になった中学校や高校の制服を引き取り、手直しして安価で販売している。震災直後、交流がある石川県白山市の中古ランドセル取扱店・アールエスネクストを経営する木下成久さんに手伝えることを尋ねると「無償提供の活動に協力してほしい」と依頼された。能登半島では倒壊した家から学用品を持ち出せない子供が大勢いるとも聞いた。
 ランドセルは4月2日、松本市を訪ねる木下さんに引き渡し、クリーニングや修繕を経て夏に提供を始める。吉澤さんは「皆さんの気持ちを石川県にしっかりと届けたい」と話している。