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小沢征爾さん追悼 松本の中学生たちが感謝の演奏

小澤さんへの感謝を込めて演奏する生徒たち

 松本市中学校春の吹奏楽祭(松本市中学生吹奏楽連盟など主催)が9日、同市深志3のまつもと市民芸術館で開かれ、約300人の参加者全員で先月亡くなった世界的指揮者・小澤征爾さんの追悼演奏を行った。小澤さんが総監督を務めた国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(旧サイトウ・キネン・フェスティバル松本)をきっかけに松本の吹奏楽レベルが向上し音楽環境の整備も進んだとして、功績をしのんで感謝を表した。

 組合立や私立を含む18校の1、2年生が参加。スクリーンに写真が映し出される中、小澤さん自身がゆかりの音楽家らの告別の曲として、音楽祭などで演奏していたバッハの「G線上のアリア」を、厚みのあるハーモニーで奏で、静かに黙とうをささげた。
 音楽祭の関連イベントとして市内小中学校も参加し、初回から続く歓迎吹奏楽パレード後の合同演奏会では、小澤さん自ら度々指揮してきた。現在の中学生は指導を受けていない世代ながら、追悼演奏はパレードなどの実施主体となる松本吹奏楽協会が提案し実現。演奏前には豊島実事務局長(70)が小澤さんを「松本の音楽文化を発展させた立役者」などと紹介した。
 清水中学校吹奏楽部部長の伊勢亀叶さん(14)はフルートを奏で「(松本の吹奏楽に)大きな影響を与えてくれた人なので、心を込めて吹いた。これだけの人数で響き合ういい演奏ができた」と話していた。

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