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「白鳥の歌」10日発表会 穂高有明の佐藤進さん 三大歌曲完結へ意欲

鑑賞を呼び掛ける佐藤さん(左)と西田さん

 声楽を愛好し、オーストリアを代表する早世の作曲家・シューベルトの連作歌曲集に挑戦してきた佐藤進さん(82)=安曇野市穂高有明=が10日、シューベルト最晩年の作品で「三大歌曲」として知られる「白鳥の歌」に挑む。安曇野市穂高交流学習センターみらいで午後2時から、全曲披露する。

 60代後半でテノールを習い始め、平成25(2013)年と27年に「冬の旅」、80歳となった一昨年に「美しき水車屋の娘」の発表会を開いた。三大歌曲を歌い上げる試みの舞台。
 全14曲で構成する「白鳥の歌」は、シューベルトの死後に編集、出版され、物語のように展開していく「美しき水車屋の娘」や「冬の旅」とは異なり、各曲が独立した形式を取る。佐藤さんは「最も歌いづらく難しいが、死期を間近に作られたとは思えない熱量にあふれた歌曲を、持てる力で精いっぱい表現したい」と意気込む。
 西田令子さん=松本市惣社=のピアノ伴奏で、ドイツ語で歌う。ドイツへの赴任経験に得た語学力を生かし、大部分を自ら邦訳した歌詞を舞台に投写もする。佐藤さんは、貴族社会が後退する時代に市民階級と深く結び付いたシューベルトの歌曲に「情景がまざまざと浮かぶ親しみや癒やしを覚え魅せられてやまない」とし「私なりの理解を見ていただけたら」と鑑賞に誘う。
 入場料500円。問い合わせは佐藤さん(電話090・7249・8885)へ。

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