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雪投げつけ五穀豊穣願う 筑北の刈谷沢神明宮でお田植え祭り

雪を受けながら境内を練る氏子たち

 筑北村坂北の刈谷沢神明宮で3日、県無形民俗文化財に指定されている伝統行事「お田植え祭り」が行われた。田畑が水で潤うように願いを込めて、氏子が抱える張り子の牛に参拝者が雪を投げ、五穀豊穣や子孫繁栄を願った。

 氏子総代会長の堀田勇さん(83)が400年前に始まったとされる祭りのいわれを説明し、「愛を込めて雪を投げよう」と呼び掛けて神事が始まった。牛を抱える太郎役の瀬原田淳さん(52)、その後ろで鍬を手にした次郎役の宮入康寿さん(73)を先頭に、白装束の氏子8人が「ボーボー」と牛の鳴き声をまねながら境内を練り歩いた。雪を浴びるたび、氏子は「毎年、毎年、嫌でござる」と、おなじみの口上をぼやいていた。
 家族と参拝した筑北小3年の猿橋凜空君(9)は「災害のない1年になってほしい。字をきれいに書くのを頑張りたい」と話していた。初めて太郎役を務めた瀬原田さんは「みんなが健康で健やかに過ごせれば」と願っていた。

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