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避難所開設 住民の力で 松本の元原町会が初動訓練

傷病者役の避難住民を迅速に誘導する救護班

 休日朝に大地震が発生したとの想定で、行政の支援を待たずに住民主体の避難所開設を進める初動訓練が2日、松本市安原地区の元原町会で開かれた。いざという時、避難所を迅速に開設するには自治会としてどのように動けばよいのか―。実地で確かめ合い、明日の防災に生かそうと、町会の指定避難所に当たる信州大学付属松本小学校に住民が集結した。

 松本平を震源とする震度6強の地震が発生した想定で午前9時、町会の避難所運営委員会が立ち上げ訓練を開始した。▽情報班▽救護班▽避難者管理班―など7班に分かれ、案内表示の設置、備品搬入、体育館内レイアウト設営などをこなした。しばらくすると、避難住民が次々と来場。受付で氏名や住まいを確認し「感染症の疑いがある大学生」や「転倒して痛みを訴える高齢者」ら傷病者や要介護者を誘導していた。
 信大教育学部の廣内大助教授(地理学)の研究室や同大地域防災減災センターの監修の下、昨秋完成した「元原町会避難所開設初動リーフレット」に基づき初めて実施した。町会では毎月1回、防災のワークショップを重ね、リーフレットの作り込みや読み込みを進めてきたという。今後は避難所マニュアルの作成にも着手する。

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