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姨捨の満月いにしえ思う 麻績の冠着宮遙拝所

冠着山から昇る満月(24日午後5時50分ころ、麻績村上町)



 麻績村上町の姨捨山・冠着宮遙拝所(冠着山、1252メートル)で24日夕、冠着山から昇る満月が見られた。冠着山は『古今和歌集』で「わが心、なぐさめかねつさらしなや をばすて(姨捨)山に照る月を見て」(よみ人しらず)と詠まれた月の名所。「月の里」をうたう村では、遙拝所からこの時季と秋季の年2回、満月の「姨捨の月」が楽しめる。

 遙拝所の始まりは定かでないが、近くに明治27(1894)年建立の記念碑があり、古くから名所として親しまれていたようだ。
 村文化財保護委員の小山知泰さん(81)は「遙拝所付近は、善光寺を目指す旅路では、麻績宿手前の開けた所だったろう。いにしえの旅人のロマンが感じられる」と語る。