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天国の小澤さんに歌声届けたい SK松本合唱団オーディション

歌声を響かせるオーディション参加者

 松本市で毎年夏に開催される国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の歓迎コンサートに出演する市民合唱団「SK松本合唱団」の団員オーディションが23日、同市水汲のキッセイ文化ホールで開かれた。継続的に参加するベテラン団員が多く、6日に死去した総監督の小澤征爾さんに向け「本番は小澤先生に届くように歌いたい」と話す参加者もいた。

 83人が参加した。4~5人ずつ審査室に入り、合唱団を指導する中村雅夫さん(64)=松川村=と吉野恵美子さん(76)=東京都杉並区=の前で、一人ずつ課題曲を歌った。中村さんはそれぞれのグループが審査に入る前に「今年は小澤先生への追悼の気持ちで歌いたい」と思いを伝えた。
 SK松本合唱団は、OMFの前身のサイトウ・キネン・フェスティバル松本で、平成12(2000)年から4年間、市民が参加した「1000人の合唱」をきっかけに誕生した。「お城deハーモニー」で美しい歌声を響かせ、フェスティバルの開幕を毎年歓迎してきた。
 参加者の中には、平成27年の子どものための音楽会に出演し、小澤さんの指揮で歌ったことがある人もいた。結城哲一郎さん(78)=松本市大手1=は「念願がかない、小澤さんの指揮で歌ったことは心にずっと残っている」と話し、合唱団代表の大塚尚子さん(62)=神田3=も「高揚感を忘れられない。夏のコンサートは小澤さんに届くように歌いたい」と語った。
 団員募集は継続している。問い合わせは市国際音楽祭推進課(電話0263・39・0001)へ。