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はく製動物に興味津々 豊科郷土博物館でユニークな企画展

野生動物のはく製が並ぶ企画展。子供たちが「何これ?」と興味津々で楽しんでいる

 安曇野市豊科郷土博物館で23日、市内に生息する野生動物のはく製を集めたユニークな企画展「はくせい動物園」(県烏川渓谷緑地協力)が始まった。ニホンイタチやモモンガなど15種類21体が展示されており、生態や生態系について楽しく学びながら、人の暮らしとの関わりを知ることができる。5月19日まで。講演会やクラフト体験など関連イベントも多く予定する。

 同博物館と同渓谷緑地が所蔵するはく製を集めた。熊は嗅覚が犬より優れていて数キロ先のにおいをかぎ分けることを頭蓋骨の標本で説明したり、ウワミズザクラの種子がたくさん入った熊のふんを展示して熊の好物を紹介したりしている。
 羽音を立てずに獲物に近づくフクロウの羽根の構造を20倍の顕微鏡で観察することもできる。サルを例に、人里近くで暮らす野生動物は農作物を食べていて栄養状態が良く、産んで育てる子供の数が多いことも指摘。動物が農地に入らないようにすることや残った農作物を放置しなことなど「野生動物のことを科学的に学び、しっかり距離を取ることも大切」としている。
 子供向けの展示だが大人も楽しめる。回答すると動物写真のポストカードがもらえるクイズもある。小学生の長男が動物好きで観覧に訪れた三郷明盛の中嶋好笑さんは「近くで見ることがなかなかないので、実際に見ると大きい」と野生の迫力を実感していた。
 学芸員の松田貴子さんは「野生動物の生態から見える人との関わりを見てもらい、考える視点になれば」と語っていた。
 開館は午前9時から午後5時(入館は4時半)まで。入館料は高校生以上100円、中学生以下と市内在住の70歳以上は無料。問い合わせは同博物館(電話0263・72・5672)へ。