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ブルゴーニュワインの騎士団 塩尻の種山千邦医師が会員に

騎士団本部がある建物で「叙任式」に臨む種山さん(種山さん提供)

 塩尻市大門五番町の種山医院の院長で医学博士の種山千邦さん(68)がこのほど、フランスのブルゴーニュ地方のワイン団体「ブルゴーニュワインの騎士団」から称号を受け、会員となった。ワイン好きの種山さんは、ワイン用ブドウを自ら栽培してワインを委託醸造したり、私的なワイン会を開催したりして、ブルゴーニュ地方のワインの魅力を日本で広めた功績が評価された。

 騎士団は世界中にブルゴーニュワインを広める活動をしている歴史ある団体だ。騎士団の日本支部から推薦を受け、ブルゴーニュ地方にある騎士団本部が許可したという。種山さんは昨秋、本部を訪れ「叙任式」に出席した。今回称号を受けた15人のうち日本人は種山さんのみ。称号の証明書と、ワインの利き酒に使う銀製杯「タストヴァン」などを受け取り、500人が招かれた夕食会にも一家で出席した。10年前に観光で本部に訪れたが「まさか叙任で再訪するとは夢にも思わなかった」と喜ぶ。騎士団の会員は世界で約1万2000人おり、日本人は約200人という。
 種山さんは学生時代からさまざまなワインを楽しみ、世界各国を巡ってワインを購入し、味わってきた。ワイン産業に携わる人材育成と地域ブランド強化を目指す塩尻市の「塩尻ワイン大学」の2期生でもある。学んだ知識を生かし、片丘地区でワイン用ブドウを栽培しており、面積は約70アールまで増えた。ドイツの品種が主だが、フランスのブルゴーニュ地方が本場とされる品種「ピノ・ノワール」にも力を入れる。皮が薄く栽培が難しい品種だが、美しい赤系のピノ・ノワールからできたワインが好みという。
 これまで委託で醸造してもらっていたが、出資して共同経営するワイナリー(醸造所)で今年は自らワイン醸造も始める。販売免許も取得し「今後もブルゴーニュワインとピノ・ノワールの魅力を広めていきたい」と意欲を見せる。