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数珠を回して息災願う 島立荒井で八日念仏

家々の玄関先で輪をつくって数珠を回す子供たち

 松本市島立荒井で3日、子供たちが長さ7メートル近い数珠を回して無病息災を願う伝統行事「八日念仏」が行われた。地元の小学生約20人が町内約100世帯を回って玄関先などで数珠を回し、地域の平穏を願った。

 江戸末期の念仏講をルーツに子供の行事として受け継がれてきた「お八日」(2月8日)の行事とされる。新型コロナウイルス禍で近年は行事の中止や公民館内のみで行う規模縮小が続き、子供たちが地域の家庭を回るのは5年ぶりとなった。
 子供たちは荒井公民館で清水正明町会長(66)から行事について教わった後、午前と午後に分かれて家々を訪ね、かねを打つ役を中心に輪をつくって「ナンマイダー、ナンマイダー」と唱えながら数珠を回した。地元の自営業・百瀬安高さん(73)は「子供たちの元気な姿が見られうれしい」と目を細めた。
 島立小学校4年の大久保綾杜君(10)は「いろいろな家を回るのは大変だけれど悪い病気の元をいっぱい退治できた。自分も健康に暮らしたい」と願った。