高齢者のラジオ体操仲間に信大生 松本城公園に通い2年半

松本市の松本城公園で毎朝ラジオ体操をする高齢者の仲間に、北海道出身の信州大学生が加わっている。理学部3年の扇谷真由さん(21)=松本市沢村=だ。1年生の夏にランニングの途中にたまたま参加して以来2年半、欠かさず通ってきた。70代、80代中心の集まりだが世代を超えて心を通わせている。
故郷を離れて大学に入学した夏、運動不足と不規則な生活を改善しようと、ランニングを始めた。通りかかった松本城でラジオ体操をする人たちを見かけ「子供のころの懐かしさ」を感じ、飛び込みで参加した。「皆さんの人柄がとてもいい」と魅力を話す。
体操の後のおしゃべりが楽しみで、歴史、料理、おすすめのスーパーと話題は幅広く「方言も教わった。『まえで』とか」。「松本のことに詳しくなり、大学で教授に褒められる」と笑顔を見せる。
参加者も「松本のじじ、ばば」として目を細める。「松本マラソンにも参加したのよ」「お弁当を自分で毎日手作りしているの」「とっても頑張り屋で、すごくしっかりしている」。自分の孫を語るように「まゆちゃん」の自慢話が尽きない。
3月から1年間、マレーシアの大学に留学予定で「寂しい。リモートでできたらいいのに」と、ラジオ体操仲間への思いを語る。「皆さんのおかげで松本のことが大好きになった。帰ってきたらまた参加したい」と話している。