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外国人ハイカー 過去最多 中山道・馬籠峠越え 本年度 先月末までに3万6162人 106カ国から来訪 欧州多く

馬籠峠の一石栃立場茶屋で休憩する外国人旅行客(昨年8月)。ハイカーは過去最多ペースで訪れている

 南木曽町の妻籠宿と岐阜県中津川市の馬籠宿を結ぶ中山道「馬籠峠」に本年度、外国人ハイカーが過去最多を超えるペースで訪れている。12月末で3万6162人で、最多だった令和元年度同期と比べ191人多い。関係者は年度を通した最多の入り込みを更新する可能性が高いとみて、新型コロナウイルス禍からのにぎわいの復活を実感している。

 統計は妻籠の公益財団法人・妻籠を愛する会が、峠の途中にある無料休憩所・一石栃立場茶屋の前を通過する人を調べている。本年度は月別で、5~9月に元年度を上回る数値が続いた。12月は1202人で、同比1・5倍近い来訪者がいた。
 世界106カ国から訪れており、元年度の82カ国を超えた。地域別では、欧州が全体の約50%を占めるなどこれまでと同じ傾向が続く。
 同会が統計を始めた平成21(2009)年度以降、来訪者数は上昇傾向が続く。ただ、コロナ禍による大打撃を受け、入国制限が10月に緩和された4年度でも12月までの数値は4024人にとどまり、本年度の1割程度だった。
 日本人のハイカーは1万6818人で、元年度の9割を超す。コロナ前と同水準に戻り、同会の藤原義則理事長は「世界からの注目は薄れていない」と指摘する。にぎわいが復活する中で、外国語表記の案内の充実など「中山道の周辺地域を含め、環境整備といった受け入れの対応を進める必要がある」とみている。