教育・子育て

校内に水族館!児童が運営 「生きもの会社」の7人、捕獲に飼育、企画立案も

休み時間、集まった児童の前で餌やりをする生きもの会社メンバー

 安曇野市の豊科南小学校6年3組(担任・林哲也教諭、28人)の男子児童7人が、同校の堰「百石堰」で捕まえた生き物を「百石堰水族館」と題して校内で展示している。熱心に世話をしながら、紹介ボードを作ったり餌やり体験を企画したりと全校が楽しめるように工夫を凝らし、生き物を通して多彩な学びを育んでいる。

 同小では、子供たちが学級内で「会社」をつくり、クラスをよくするために取り組む特別活動「チャレンジプロジェクト」を行っている。7人は「生きもの会社」のメンバーだ。
 百石堰は約30年前、当時の児童や職員、保護者らが学校南側に作った人工水路。拾ケ堰と勘左衛門堰から水を引いていて多種多様な生き物がすみ、夏場は授業でも活用する。
 生きもの会社は当初、捕まえた水生生物を教室で飼育。評判を聞いた他学級の児童が見に来るようになったため、全校に見てもらおうと、5月に中央廊下に移して水族館とした。当初は廊下が通れなくなるほどのにぎわいだったという。
 生き物の種類について尋ねられることが増えれば低学年も読める紹介ボードを作り、餌をあげたそうな児童がいれば予約制のえさやり体験を企画した。暑さなどのことを考え、夏休みの前に百石堰に生き物を戻すことも話し合って決めた。
 2学期、あらためて生き物を捕まえ、11月に水族館を復活させた。現在はコイやフナ、アブラハヤなど8種類を飼育する。生きもの会社の池田庚生君は「今の時期は外で生き物が見られない。水槽だと元気な姿が見られるのがいい」と笑顔を見せ、栗田愛士君は「寒くなるので大切に育てたい」と力を込める。"入社"したことで生き物に親しんだ児童もおり、大蔦隼仁君は「魚の名前とか飼い方が勉強になる」とほほ笑む。
 林教諭は「頻繁に掃除するので水槽が汚れることが一切ない。自分たちで上手に分担しているのがすごい」と目を細める。冬休み中の飼育方法も、会社で話し合って決めるという。

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