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天蚕博物館 児童が開設 安曇野・豊科東小3年1組 飼育の成果・魅力を紹介

学校内に開設した天蚕博物館で解説する児童たち

 安曇野市の豊科東小学校3年1組(齊藤さゆり教諭、35人)が本年度、穂高地域特産の野生の蚕・天蚕(ヤママユガ)の飼育に挑戦した。卵をふ化させて幼虫を飼育し、羽化まで見届け、自発的に天蚕を調べたり似たガを見つけて比べたり、繭を使って工作をしたりと学びを発展させてきた。21日まで「天蚕博物館」を校内に設けて学習の成果や天蚕の魅力を伝えている。

 5月に穂高有明の市天蚕センターから卵を250個購入して飼育を始めた。幼虫の餌となるクヌギは校庭から調達。ふ化して約100個が繭になり、8月初旬から10月下旬にかけて羽化した。夏休み期間中は、繭を自宅に持ち帰って羽化を観察した児童もいた。
 ふ化したばかりの幼虫が教室内外に脱走する事件もあった。図工の時間に天蚕の絵も描いた。最初は幼虫が苦手だった子供たちも飼育しているうちに愛着が湧き、南山結依さんは「学習したらかわいく見えてきて、他にももっと知りたくなってきた」と好奇心を膨らませていた。山口晴真君は「天蚕があんなにきれいで大きいことにびっくりした」と笑顔で話していた。
 天蚕博物館は「天蚕の魅力やすごさを知ってもらいたい」「天蚕を好きになってもらいたい」と、飼育の舞台になった3年学年室に開設した。児童が日替わりで「学芸員」となり、来館者に展示物を解説している。脱皮を繰り返す幼虫の1~5齢で大きさや量が異なるふんや繭の工作なども展示している。
 来年1月には糸を紡ぐ体験を予定する。齊藤教諭は「自分から興味を持って関わっていく姿がいい。飼育だけで終わらず、次の学習につながっていくのがよかった」と語る。子供たちの願いは、飼育した天蚕から生まれた卵が来年にふ化することだという。
 博物館は、期間中の午前8時~8時15分と10時半~10時45分に誰でも見学できる。

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