政治・経済

朝日村 ろ過装置で断水回避

大尾沢浄水場に設置された仮設のろ過装置

 朝日村は18日、村内の水道水の主な水源である大尾沢の水量不足を受けた応急対策として、大尾沢浄水場に浄水処理ができる仮設ろ過装置2台を設置した。同日から既存の浄水施設と併用して稼働。浄水量を増やして水の供給力を補うことができ、断水の危機は何とか回避できる見通しだ。ただ、1~2月の本格的な渇水期が控えるため、村は引き続き村民や村内事業所に節水への協力を呼び掛けている。

 不純物を取り除く機能が高い「膜ろ過装置」で、1台で1時間に約2トンを浄水処理できる。2台合わせて1日に100トン弱の浄水が可能となる。大尾沢の湧水以外に同浄水場の水源としている舟ケ沢(表流水)の余剰分を有効活用する。装置は当面、民間事業者から借り受ける。
 村はこの他の応急対策として11日に大尾沢浄水場の配管と別水源である御馬越水源(地下水)の配管を接続する工事を実施。渇水などの緊急時に備え、両水源の水を融通できるようにした。
 大尾沢は村内大半の世帯の水道水をまかなう水源だが、夏以降の雨不足が影響し、今秋の水量は例年の半分から3分の1程度まで落ち込んだ。村によると15~16日にかけて降った雨で一時的に平年並み程度に回復が見られた。村は先月末に設置した渇水対策本部を18日にいったん解散。関係部署を中心に引き続き渇水期に向けて警戒を続ける。村建設環境課は「断水となる最悪の事態を回避するため何とか対応してきた」とし「これまでは渇水期も今年のような対応はせずに乗り切れていた。今年の異例の事態を今後の水源研究や水の安定供給に向けた対応につなげたい」としている。

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