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丸の内美術館9日開館 松本・三の丸エリアにアートスポット

徳田安孝さん(右)と優雅さんが収集した現代美術絵画が並ぶ展示会場

 松本市の都市計画道路・内環状北線(外堀大通り)沿いに「松本 丸の内美術館」(大手3)が新設され、9日にオープンする。徳田医院を営む医師・徳田安孝さんがオーナーで、妻の優雅さんがアートマネジャーとして運営に携わる。夫妻が収集した日本の現代美術絵画約100点を網羅的に展示する。

 洋画家・東郷青児(1897~1978)が初期に手掛けた珍しい作品や、版画や映画監督など多彩な活動で知られた池田満寿夫さん(1934~97)の作品などをそろえる。入り口から年代別に展示し、戦後からの現代まで日本現代美術史をたどることができる。
 来館者には徳田さんが執筆した作品解説の冊子を配布する予定で、難解な印象を与える現代美術に親しんでもらえるよう工夫した。2階はフリースペースで、レコードプレーヤーで音楽を聴くこともできる。窓から松本城天守を望め、来館者にコーヒーが提供される。
 徳田さんは20代のころ、松本市出身の前衛芸術家・草間彌生さんの影響を受けて現代美術作品の収集を始めたといい、「日本現代美術史の中で、草間さんの立ち位置が分かるように展示した」と話す。
 市が松本城の南・西外堀復元に伴って進める外堀大通りの整備のため、昨秋に徳田医院が通り北側から南側に移転した。徳田医院、丸の内美術館、自宅、中庭を一体的に「松本三の丸スクエア」として整備し、今年11月には市景観賞の最優秀景観賞を受賞している。
 松本城南側の「三の丸エリア」のにぎわいを創出する新スポットとしても期待されている。妻の優雅さんは「多くの人が現代美術に気軽に触れるきっかけになればうれしい」と話している。
 入館料は大人1000円、中高生500円、小学生以下無料。平日午前11時~午後3時。土、日曜日と祝日は午前10時~午後4時。水、金曜日が休み。問い合わせは同美術館(電話0263・33・8168)へ。

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