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林道美ケ原線の舗装し直し 快適な観光ルートに

舗装の改良を進める林道美ケ原線

 松本市は、美ケ原高原に向かう主要アクセス道路・林道美ケ原線(美ケ原スカイライン)の全面的な舗装改良を進めている。美鈴湖(三才山)から上田市境の武石峠までの計画区間11・5キロのうち、2・6キロの工事がこのほど完了した。美ケ原の観光客のうち同林道を通る割合は少なく、新型コロナウイルス禍からの回復も遅れており、市は快適に観光ができる環境づくりを急ぐ。

 林道美ケ原線は本郷村当時の昭和31(1956)年に開通し、47年ころに舗装された。寒冷地のため亀裂や陥没が各所に生じ、補修を繰り返してきた。全面的な舗装改良は初めてとみられる。市は27日にしゅん工検査を行い、傷んだ舗装にアスファルトをかぶせた道路の状況を確認した。
 昨年度の美ケ原高原の観光客数は39万5700人で、コロナ禍前の令和2年度より34%増えた。多くは台上の反対側の小県郡長和町に集中し、林道美ケ原線を利用する観光客は全体の3%の1万1909人にとどまる。2年度比では16%減で、コロナ前の水準に届いていない。
 市は昨年12月に美ケ原再生計画を策定し、植生の回復や観光施設の魅力向上などに加え、自転車レースのツール・ド・美ケ原のコースにもなっている同林道の舗装改良を盛り込んだ。急務の取り組みとして、9年度末までの5年間で5億円をかけて舗装し直す。
 本年度はこのほか、植生調査や、県美ケ原自然保護センターに隣接した売店の改修に向けた検討を進めている。市観光プロモーション課は「観光客が安心して市街地から台上に上がっていけるようにしたい」としている。