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木曽漆器工業協同組合 全国審査で3席

団体賞に贈られた漆塗りの盾と、(右から)伊藤寛司商店の伊藤寛茂社長、小坂さん、小林理事長、山加荻村漆器店の荻村実社長

 東京都でこのほど開かれた日本最大規模の漆器展示即売会「第58回全国漆器展」(日本漆器協同組合連合会など主催)の審査会で、塩尻市木曽平沢の木曽漆器工業協同組合が、第3席に当たる団体賞・日本経済新聞社賞を受けた。組合を通じて出品された木曽漆器4作品が高い評価を受け、同組合としては5年ぶりの団体受賞となった。

 団体賞は、各地域の漆器組合がまとめて出品した作品の審査結果を点数化して決まる。木曽漆器工業協同組合からは、4作品が個人賞を受けた。
 美術工芸品部門では2作品が個人受賞した。職人・石本忠男さん(故人)の制作で、組合が購入・所有していた「漆皮朱塗縁金線楢紋様皿・朱塗縁金線梅型小皿5枚組」は農林水産大臣賞に輝いた。なめした牛皮を漆で固め、梅の花の形に仕上げた。職人・小坂進さん(68)の「一閑張り茶器」は全国漆業連合会会長賞を受けた。和紙38枚を重ね張りして成形し、上から見るとだ円形になるよう工夫した。
 産業工芸品部門で奨励賞を受けた山加荻村漆器店の「STONESaile2枚組」は、和紙に漆を塗り石のような質感を表現した。特別テーマ部門で日本漆器協同組合連合会理事長賞に選ばれた伊藤寛司商店の「和塗木地呂飯椀・箸・箸置き汁椀」は、松本地方産の漆のみを使い、木の風合いを生かして仕上げた。
 木曽漆器工業協同組合の小林広幸理事長は「木曽漆器の質の高さが認められ非常に喜ばしい。産地の力を合わせ、来年は団体賞でさらに上位を狙っていきたい」と力を込めた。
 全国漆器展の審査会には、12産地から約130作品の出品があった。