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山雅の田中隼磨さん Jリーグ功労選手賞

Jリーグ功労選手賞を受けた田中さん(奥)。エグゼクティブアドバイザーとして後進の指導にも当たる

 Jリーグは24日、Jリーグ功労選手賞を発表し、昨季限りで現役を退いた松本山雅FCの田中隼磨さん(41)が受賞した。第一線を駆けた20年余りを新たな勲章が彩り、「名誉ある賞をいただけるのは光栄」としている。

 田中さんは横浜F・マリノスでデビューし計4クラブでJ通算570試合に出場した。横浜FMや名古屋グランパスでJ1優勝を味わい、日本代表にも選出。カップ戦なども合わせた出場は計713試合を数える。
 2014年には帰郷して松本山雅に加入。9季で215試合のピッチに立ち、J2制覇を含めて2度の昇格を達成。常に厳しく自己と向き合い、言葉で背中で、プロの範を示し続けた。
 キャリアを通し、チームが目指すものを自身の目標に重ねた田中さん。出場数だけでなく勝率を含む内容に強くこだわった。
 悲喜さまざまな経験を積んだ中、印象深いシーズンに2015年を挙げる。初のJ1を舞台にしたチームはトップ15入りを掲げて臨んだものの、かなわなかった。後悔はないが降格に対して責任を感じたといい「みんなが一生懸命やったからこそトップ15に入れていれば違った景色が見られたかもしれない」。そう振り返る。
 スパイクを脱いだ後は松本山雅のエグゼクティブアドバイザーに就いた。育ててもらったと感じるJリーグへの恩返しが活動の源泉で「還元を意識している」。地域の子供に向け「松本で生まれ育っても勝ち取れることを分かってほしい」と強調。かつて戦ったJ1やJ2を指しつつ「目指すべき舞台を近くで見せたい」と話した。
 功労選手賞は、リーグ戦や天皇杯などの合計出場が500試合を超えるなどの基準を満たした選手が対象となる。今年は12人が受賞した。

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