政治・経済

波田の下水処理はアクアピア安曇野で 施設老朽化で経費節減

老朽化が進む波田浄化センター。市は改築せず、アクアピア安曇野に統合する

 松本市は、波田地区の下水処理を行っている波田浄化センター(波田)を令和9年度から県管理の犀川安曇野流域下水道終末処理場・アクアピア安曇野(安曇野市)に統合する方針を決めた。老朽化が進む同センターを建て替えるより、広域処理した方が経費を節減でき、下水道事業の安定経営につながると判断した。

 扇子田運動公園近くの波田浄化センターでは、波田地区の約1万4400人の下水処理をしている。計画では、梓川右岸にある同センターから、左岸側へ川を横断する下水管を河床下に埋設し、梓川地区の流域下水道の管路に接続する。工事延長は約1960メートルで、令和6~8年度の施工を予定。築28年が経過した同センターは10年度に解体する。一連の総費用は約21億円で、センターを改築した場合と比べると30年間で9億円ほどの節減になる見通しだ。
 市の下水道事業会計は15年連続で黒字を続けるが、今後は人口減少に伴い料金収益が減少し、施設・管路の更新・耐震化費用が膨らむと見込まれる。一方、アクアピア安曇野は処理能力に余裕があるため追加の受け入れが可能で、市は接続後、現在も受け入れている梓川地区に加え、波田地区分の処理負担金を県に支払う。
 市下水道課は「更新費を使用料金に転嫁しないことを最優先に考えて決めた。黒字を継続していける見込みはある」としている。

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