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命を育む医療へ発展誓う 安曇野のこども病院創立30周年記念式典

創立30周年の節目を祝った記念式典

 安曇野市豊科の県立こども病院は8日、豊科南穂高の安曇野スイス村サンモリッツで創立30周年記念式典を開いた。県内の病院や関係機関・団体、院内ボランティア、職員ら約200人が出席して節目を祝い、中村友彦病院長は「命を救う」から「命を育む」医療への発展を誓った。

 来賓の関昇一郎副知事は、こども病院によって長野県の小児・周産期医療の提供体制が大きく向上したことをたたえ、「今後もこども病院を中心とした小児・周産期医療の体制強化に向け全力で取り組む」と述べた。太田寛安曇野市長は「地元にこども病院があることは大きな誇り。これからも多くの子供の命を救い、育み、家族を救える場所であってほしい」と願った。
 こども病院は、小児高度専門医療の提供病院として平成5(1993)年に開院。県の乳児・新生児死亡率は劇的に下がって全国最低レベルになった。全国で唯一、医師と看護師による新生児・小児重症患者の迎え搬送を365日・24時間行っており、中村病院長は概要説明で「30年間続けてきたことを誇りに思う」と述べた。
 今後は▽高度専門医療▽家族と共に築く医療▽医療的ケア児支援と移行期医療―の3点を柱に据え、「命を救うから命を育む」医療を展開していく。
 長野市出身のNHK解説委員・竹内哲哉さんの記念講演、職員や関係業者、ボランティアで今回のために結成した「こども病院ちるくま合唱団」による合唱披露もあった。