教育・子育て

大好きな松本の未来像探る 鎌田中KMDタイム 魅力・課題整理し成果提案へ

松本の長所は?改善点は? 信大の学生と一緒に郷土の特色や将来像を語り合う生徒たち

 松本市の鎌田中学校は22日、総合的な学習の時間を使って郷土を学ぶ「KMDタイム」の中間発表会を開いた。2年5組(上條郁男教諭、36人)は、再来年に迫る松本パルコ閉店の危機感を共有し、松本の街の未来像をどう描くべきかを模索。地域の長所と課題を洗い出し、将来に残したり伸ばしたりすべき魅力を確認しながら、誇りや郷土愛を醸成した。

 信州大学医学部の中澤勇一准教授やゼミ生を講師に招き、生徒と大学生が松本の未来をディスカッションした。豊かな自然や歴史、著名人の輩出や医療の充実など松本の長所を列挙。一方で交通渋滞や娯楽の少なさ、空き家の増加といった課題も挙げた。「古い建物や伝統文化を守るべき」「自分も有名人になって故郷を盛り上げたい」など口々に将来像を語り、中澤諒力さん(14)は「松本が好き。皆の理想が実現すればうれしい」と話していた。
 KMDタイムは「地域に生きる私」の視点から学級ごとテーマや問いを立て、半年間をかけて取り組む探究学習だ。2年5組は年度当初に市街地に繰り出し、街を代表する商業施設の撤退に課題を見いだした。松本駅前の構想を練ったり、市民や観光客から松本の良い点、改善点を聞き取ったりして考えを深めてきた。最終的には成果を新聞にまとめて市に提案したい考えで、上條教諭は「将来を担う世代が故郷を思い、より良い街づくりへの意識を高めてくれるように」と願っていた。
 発表会は保護者や地域住民に公開された。牛伏寺断層地震から命や笑顔を守る防災研究や、松本の魅力を発信するおやき作りなどもあった。