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御嶽山 遭難相次ぐ 噴火災害以降最多 8月末までに6件 木曽署 注意呼び掛け

 長野・岐阜県境の御嶽山(3067㍍)で今年、山岳遭難が相次いでいる。長野県側で8月末までに6件発生し、平成26(2014)年9月の噴火災害以降最多となった。立ち入りができなかった剣ケ峰―王滝頂上間の尾根筋「八丁ダルミ」が7月29日に一般登山客に開放され、登山者が増えたことが背景にあるとみられる。登山者で一層にぎわう秋の紅葉シーズンを前に木曽警察署などが注意を呼び掛けている。

 遭難者は計7人で、死者が1人、負傷者が4人、無事救出が2人。遭難を態様別に見ると、転倒が3件で、滑落と道迷いが各1件、原因・状況など不明が1件。時期別には、4、6月が各1件、開山シーズン中の7月以降が4件になる。直近だと、8月下旬に2人で入山した和歌山市の40代女性が山頂から岐阜県側へ下山中に登山道から外れて2㍍ほど滑落し右手首を折る大けがをして県消防防災ヘリで救助された。
 県警山岳安全対策課によると、御嶽山の山岳遭難は、噴火災害後の平成27~29年は安全のため入山規制が厳しかったことで登山者が少なく0件だった。30年以降も多くて年間2、3件だった。
 木曽署の齋藤賢志郎次長は、八丁ダルミの開放で柔軟にコース選びをして最高点の剣ケ峰を目指せるようになったことを念頭に「自分の体力に見合った登山計画を立てて、天候の急変などにも対処できるよう行程に余裕を持ち必要な装備を用意して登ってほしい」と呼び掛けている。
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 県内で今年発生した山岳遭難は8月末現在で101件。木曽署管内では御嶽山以外に中央アルプスの空木岳などで4件起きた。