筑北村の聖南中「どっこい清掃」復活

筑北村の聖南中学校で本年度、「どっこい!どっこい!」と声を掛けながら清掃する伝統の「どっこい清掃」が復活し、全校生徒72人が気合の入った掛け声とともに日々の校内美化に取り組んでいる。昭和50年代から40年以上続くといい、ここ3年は新型コロナウイルス感染拡大で自粛・休止状態が続いてきた。生徒たちは、地域の先輩たちが連綿とつないできた活動を将来へつなごうと、ひたむきに清掃に励んでいる。
新型コロナの感染法上の位置付けが5類となった5月に清掃委員会を中心に復活を期し、教育実習で来校していた同校OBから「しきたり」を学び、生徒たちで話し合い、再開を決めた。かつて男子は上半身裸、女子は半袖で取り組んできたが、通常の体操着姿とするなど現代の感覚に合わせ新ルールを定めた。
どっこい清掃が復活して約半年、すっかり校内で定着し男女問わず「さーどっこい!」「どっこい!どっこい!」との大きな声が響き、私語もなく清掃に励んでいる。1年生の林飛龍さん(12)は「最初はちょっと恥ずかしかったけれど、やるうちに楽しくなった。やる気も出るし集中もできる」と話す。清掃委員長の3年・宮下恵依さん(15)は「校内でも耳になじんだ。今後も新入生に伝え、続いていってほしい」と願う。
参観日の12日、来校したPTA会長の宮入清文さん(54)=坂北=は長女の3年・桜彩さん(15)の清掃ぶりを眺め「自分が中学生になったあたりで始まった活動で復活は感慨深い。100年続く伝統として今後も引き継がれてほしい」と目を細めていた。