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ライブカメラ設置場所に苦慮 安曇野市 眺望・メンテ・住民生活考慮

光橋のライブカメラ(右)。故障などで公開を終えている

 安曇野市が市内の景色を動画配信しているライブカメラの増設に苦慮している。以前は4カ所に設置していたが、2カ所は公開を終えて廃止を検討しており、現在は2カ所の運用にとどまる。利用者が多く、観光PRや防災面の有用性から増設したいものの、プライバシー配慮や眺望の良さ、メンテナンスのしやすさなどを考えると最適地が見つかっていないのが実情だ。

 市設置のライブカメラは、明科中川手の長峰山山頂と市自然体験交流センター・せせらぎにある。穂高クリーンセンター(穂高北穂高)のカメラは施設の建て替えで令和2年10月に、犀川に架かる光橋(豊科光)のカメラは故障で4年1月に公開を終えている。
 市によると、ライブカメラの映像は観光客や市外で暮らす出身者らに人気がある。現在の天候を確認したり北アルプスの景色を楽しんだり、災害の状況を確かめたりとさまざまな需要があり、市ホームページの中でも一番閲覧されている。
 市は増設箇所の検討に当たり、公共施設の屋上は全て見て回ったが、行革デジタル推進課は「選定が難しくて良い場所は見つかっていない」。監視カメラ的に悪用されては困るため、住民生活のプライバシー配慮が最優先だという。以前公開していた光橋に関しては復旧が難しく、周囲にニセアカシアが繁茂して眺望を確保できない状況にある。
 市は6月から今月末にかけ、市役所でライブカメラ機器の実証実験を行っている。映像に面白みがなく、周りの住宅への配慮を考えると設置は難しい面もあるという。
 市は本年度から来年度にかけ、長峰山とせせらぎの機器を更新する予定。行革デジタル推進課は「その際に追加できる場所があれば追加したい。世界中に公開される映像なので周囲に影響を与えないように公開していきたい」としている。