全国最高値...長野県のレギュラーガソリン 松本地域は東北信より割安

今週の県内のレギュラーガソリンの平均価格は194円。松本で給油をすると、そこまで高くない気もする。同じ県内でも地域差があるのではと思い、各地を回って各スタンドに掲出された価格を調べると、松本周辺では長野や上田と比べて10円近くも安いことが分かってきた。事業者に聞くと、他地域よりも厳しい価格競争がその要因のようだ。
価格の地域差を肌感覚としてつかもうと、主要な国道沿線を巡ってガソリンスタンドの価格表示をチェックした。今回は「現金フリー」「一般価格」を調査対象とした。
諏訪地方から調査を開始し、国道20号、19号を北上すると、諏訪から塩尻、松本、安曇野までは「185円」「189円」「190円」という金額が目立った。
一方、長野市の中心街に入ると「196円」、18号を東信に向かって南下すると「194円」が多い。中信の幹線道路では見たことがない価格で、北信の人が新潟への「越境給油」に向かう気持ちが分かる気がした。上田市中心街ではほとんどが「195円」だった。
中信地区の燃料事業者に聞くと、「長野市は190円台、中信は180円台という肌感覚」(ヤマサ)だという。価格差の要因として、どの事業者からも挙がったのは、中信での価格競争の激しさだ。ある事業者に説明してもらうと、販売量を増やして利益を確保したいと考える事業者がいた場合、その事業者の特売に追随して周辺の事業者も値下げを行う。するとさらに特売の基準が下がるという競争が続く。一朝一夕に形成された市況ではないため、「しばらくはこの状況が続きそう」(サンリン)とみる事業者が多い。
東北信との価格差については「土地によって仕入れ先、事業者の考え方にも違いがある」(信光石油)という。薄利多売の戦略を採る事業者が多いか少ないかという点も大きいかもしれない。ガソリン価格の高騰は人々の生活に大きな影響を与えているが、松本では各事業者の経営努力で県内他地域と比較すると、割安に給油が行えているといえそうだ。