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お盆休みで観光地にぎわう 松本城は最長1時間20分待ち

250人が入場待ちできるテント内に、入り切らない人が列をつくった(12日午前11時ころ、松本城の本丸庭園)

 お盆休みを楽しむ観光客の入り込みが本格化した12日、松本平の観光地は多くの人でにぎわった。松本市の国宝松本城では天守への入場まで最長1時間20分待ちとなり、市街地でも、そば店で入店待ちの行列ができた。一部で台風7号を警戒する動きはあるものの、新型コロナウイルス禍前のにぎわいが戻ってきている。

 12日の松本城は、本丸庭園に4918人が入場した。午前11時ころには、250人が待機できるテント付きのベンチに入り切らない人が炎天下で列をつくった。入場者数は新型コロナ感染拡大以前の令和元年の同日(5313人)より少なかったが、市松本城管理課は「暑さで並ぶのを敬遠する人もいたのではないか」とみる。
 三重県津市から松本市内の母親の実家に遊びに来て、初めて天守閣に上った小学校3年・若林和喜君(9)は「めっちゃ楽しかった」と笑顔だった。松本市は3日連続の猛暑日となったが「(三重は)溶けそうになるほど暑い。こっちと全然違う」と話した。
 中町や縄手通りも、人出が多かった。満席のそば店で入店を待っていた東京都葛飾区の河合宗近さん(52)は台風を避けるために急きょ、日帰りでの長野県への旅を決めたという。「朝に善光寺に行き、松本に来た。もっとゆっくりするつもりだったのだけど」と少し残念そうだった。
 同市三才山の美鈴湖もりの国オートキャンプ場はお盆中、全60サイトがほぼ埋まっていたが、台風の影響で14日、15日は半分ほどキャンセルが出ているという。神奈川県藤沢市から家族5人で訪れている高校3年の福田悠太さん(17)は「景色が良くて、夜は涼しい。15日に帰る予定なので、台風の影響がなければいい」と話していた。