街なか「はしご」応援15年 まつもと百てんプロジェクト マップやチケット定着

歩いて回って、街も人も元気に―。
松本市街地の商店や飲食店、観光施設などが協働で活動する「まつもと百てんプロジェクト(M100)」が、6月で15年目に突入する。平成21(2009)年の事業開始以来、街の回遊性を高める「はしごマップ」と「はしごチケット」を継続し、松本のファンを増やしてきた。コロナ禍が落ち着いた今年は人出の回復も見込み、市民や観光客のさらなる参加を促していく。
はしごマップを頼りにM100加盟店で買い物や食事をして「はしごチケット」を受け取り、別の加盟店で手渡すと割引や特典を受けられる仕組み。マップにはスタンプラリーも印刷されており、利用した店でスタンプを集めると5、25、40個と数に応じてオリジナルの景品をもらえる(物によって先着)。新年度は官民84施設(店)が参加予定だ。
市民団体・新まつもと物語プロジェクトの事業として始まり、初年度は県の元気づくり支援金を活用したが、その後は加盟店が出資する協力金で運営してきた。商店主たち自らが店や街の魅力を高め「歩きたい街、また来たい街」を提案する取り組みとして定着。利用されたチケット枚数は初年度の1432枚から30年には1万2494枚にまで増え、マップやチケットを介して「コミュニケーションが生まれる」(男性そば店主)など好影響が広がっている。
懸念されたコロナ禍でも地道に事業を継続し、近年はリピーターも増えた。事務局の山本桂子さんは「成果を上げながら続いてきたことがうれしい。松本を好きになる人がもっと増えてくれれば」と話している。