教育・子育て

リンゴ育てて心育む20年 三郷小3年生の体験学習

摘果を楽しむ3年生

 安曇野市の三郷小学校3年生が総合的な学習の時間で取り組んでいる、リンゴ栽培を体験的に学ぶ「りんご学習」が今年で20年の節目となった。リンゴ栽培が盛んな三郷地域ならではの学習で、摘果から収穫まで地元の受け入れ農家で年4回行われている。子供たちにとってリンゴや農家を身近に感じる良い機会になっている。

 地元の子供たちにリンゴのことを知ってもらいたいと、三郷小PTA役員だったナカムラフルーツ農園代表の中村隆宣さん(64)=三郷温=に学校側が働きかけ、平成16(2004)年度に学習が始まった。県農業経営者協会安曇野支部の事業として三郷地域の農家が協力している。
 中村さんは本年度を含めて20年間欠かさず協力しており、これまでに2000人以上の児童を受け入れてきたという。「何よりも楽しい。子供たちから元気をもらっている部分もある。生きていく中でこの経験が残って何かしらの形につながれば」と期待する。
 12日は本年度1回目の作業が行われ、クラスごとに4軒の農家に分かれて摘果などを体験した。同フルーツ農園には4組の36人が訪れ、リンゴを味わったり大型冷蔵庫に入ったりもした。質問タイムでは、「リンゴは何種類あるの?」「どうして摘果をするの?」などと積極的に尋ねて関心を深めていた。
 務台鈴奈さんは「摘果で実を切ったときはすっきりして、また切りたいと思った」と感想を話していた。りんご学習に関わるのは2度目という担任の藤原志麻子教諭は「農家が頑張っているところや三郷地域がリンゴで有名なことを知ることができ、リンゴが身近に感じられる」と学習効果を語っていた。