政治・経済

長野銀・西澤仁志頭取が最後の決算会見 経営統合で銀行変革

記者会見する西澤頭取

 長野銀行(松本市渚2)は12日、令和5年3月期の通期連結決算を発表した。同行は6月1日付で八十二銀行(長野市)の完全子会社となって両行が経営統合する予定であることから、単独では最後の決算発表となった。会見とその後の取材対応で、長野銀の西澤仁志頭取は間近に迫った経営統合について、将来の人口減少などで地域経済の規模拡大が見込めない可能性も見据え、銀行も在り方やサービスを変革する必要があると、その意義を語った。

 ―令和5年3月期を振り返ると。
 タフな一年だった。コロナ禍は最悪期を脱したが、コスト高の価格転嫁は進まず、人手不足も重なった取引先をどのようにサポートするか。銀行としても市場が大きく動く中、リスクを減らしながら収益をどう増やすか手探りが続いた。経営統合のコストも発生したが、期初の目標だった収益レベルを確保できた。
 ―決算を見ると当面は単独でも経営の維持は可能そうだ。経営統合の意義は。
 資金の預貸から本業支援へと、銀行へのニーズが変わったという実感がある。経済のあり方も拡大が前提ではなくなってきた。今まで以上に取引先や顧客へのきめ細かい支援が必要だが、人手不足は今後さらに厳しくなり、人の育成や組織の融合には時間がかかる。それが分かっているならば早めに着手するのは間違っていないと感じる。
 ―経営統合のタイミングで取引先や顧客への影響は。
 公正取引委員会の認可前で相互の情報交換は制限されている。経営統合して初めて細かな検討ができるというのが正直なところ。ただ統合の効果は早く出し、よりよい価値を提供したい。
 ―山雅への支援は今後。
 今季末まではこれまでと変わらない支援を続ける。来季以降も支援を続けたい気持ちはあるが、現時点では何も決まっていない。

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