宇宙に行った神代桜が満開 松本市芳野の公園で元気に育つ

松本市芳野の県営住宅南松本団地内にある芳野町西公園で、今年も平田里神代桜が咲いた。日本三大桜の一つ・山高神代桜(山梨県北杜市)を親に持ち、種の時には宇宙にも行ったことのある2本の木がすくすく育ち、地域住民に愛されている。
芳野町公民館長の百瀬壽さん(72)が、平成24(2012)年に山高神代桜の桜守の三枝基治さんから、種から育てた苗木2本を譲り受けて植樹した。現在では樹高が1本は約10㍍、もう1本は6㍍ほどに育った。
実はこの種は、宇宙飛行士の若田光一さんが平成21年に国際宇宙ステーションで長期滞在をした際に、日本製実験モジュール「きぼう」で発芽を試みた118粒のうちの2粒だった。百瀬さんは「木が小さいうちはいたずらされる恐れがあり、公表してこなかった」と明かした。
開花は例年、ソメイヨシノより数日早く、5日には1本が既に葉桜になっていた。花の色あいや枝の広がり具合が違っていて、「双子だと思っていたが、それぞれに個性があって面白い」と目を細めていた。
平田里は芳野町周辺の遺跡の名称から取って名付けた。今年は周囲に柵を設け、末永く地域に親しまれる環境を整える予定だ。