故・池田六之助さんゆかりの多彩な品展示 信大で企画展始まる

松本の経済発展や文化・芸術振興などに大きな役割を果たし、昨年7月に89歳で亡くなった池田六之助さんゆかりの品を紹介する企画展が6日、松本市旭3の信州大学中央図書館で始まった。老舗呉服店の3代目として勉強のために集め、信大繊維学部図書館(上田市)に寄贈した「池田文庫」の資料、趣味の各種コレクション75点が並び、故人をしのばせている。19日まで。
「池田文庫」は平成19(2007)年度に寄贈された染織に関する画集や美術工芸品の作品集など32点(52冊と図版1335枚)で構成。その中から小袖や能装束、古典絵巻物などの文様集、染織作品の図録などを並べた。遺族から借り受けた古布やコルクスクリュー(コルク栓抜き)、古布使用の作品などもそろうほか、柔和な笑顔の池田さんの写真パネルが目を引く。
池田さんは明治時代に本町に創業した三六呉服店を営みながら冠婚葬祭事業のアステップ信州を設立、文化活動や松本のまちづくりに貢献した。信大でもまちづくりをテーマに講義するなど関わりがあったという。
店名にちなんだ初日にオープニングイベントが開かれ、妻の伊美子さん(85)=沢村3、孫の太郎さん(31)=沢村2=が出席した。太郎さんは「松本がすごく好きだったので、学生にも地域の人にも楽しんでいただけると、本人も喜ぶ」と述べ、東城幸治図書館長は「地域の文化と芸術にもご尽力された方。気軽に足を運んでいただきたい」と話している。
企画展は一般公開されている。開館は午前8時45分(土・日曜日は10時)~午後5時。12日は休館。