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3.11大川小津波裁判の苦悩を記録 松本で21日にドキュメンタリー上映会

 東日本大震災の津波で全校児童の7割が亡くなった宮城県石巻市の大川小学校を題材に、遺族らが撮影したその後の記録に基づくドキュメンタリー映画「生きる―大川小学校津波裁判を闘った人たち」が21日午後1時半から、松本市のまつもと市民芸術館で上映される。NPO法人・松本シネマセレクトが主催。悲劇当日の真実を求め、石巻市や宮城県を提訴した親たちの苦悩や葛藤を映し出す。

 大川小は地震発生から津波到達まで約50分もの間、避難をせず、児童74人、教職員10人が亡くなった。しかし惨事の背景を追求する遺族に対し、行政や学校から「真摯で誠実な答えはなかった」(弁護団)。保護者たちが起こした裁判は令和元年、最高裁が市と県の上告を退け、平時からの組織的過失を認めた判決が確定している。
 映画はこの間10年の記録を編集。「同じ思いを誰にもしてもらいたくない」と闘った親たちの姿を寺田和弘監督が作品にした。上映当日は弁護団の齋藤雅弘弁護士と原告遺族の只野英昭さんを迎え、話も聞く。セレクトの宮嵜善文理事長は「現実を知り、伝えていくことが犠牲者に対してわれわれができる唯一の道」と話している。
 前売り、学割1400円。一般当日1800円。申し込みはセレクトホームページへ。