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ゲレ食 競合店を食べ歩き 価格、雰囲気、接客は? やぶはらスキー場 店主が連携 魅力アップへ 

今季は7店舗を食べ歩く計画だ。5店舗目の「やまびこ食堂」のメニューを味わい、和やかに意見を交わし合うスキー場組合の関係者(21日)

 ゲレ食の〝ライバル店〟がサービス向上を目指してタッグ│。木祖村のやぶはら高原スキー場で今季、ゲレンデに沿って点在する食堂の経営者らが、互いの店舗を食べ歩いて交流を深めている。「店内の雰囲気は」「メニューの価格は」など、競合店舗ゆえにこれまで共有しにくかった情報を交換し合う初の取り組みだ。関係者は「他店舗の魅力を取り入れ、ゲレンデ一帯の魅力アップにもつなげたい」と願う。

 レンタル店や食堂、宿泊施設でつくる同スキー場組合が昨年12月に始めた。繁忙期を避けながら、ほぼ2週間ごとに集まり、各店のメニューを味わっている。開業から92年がたつ同スキー場で、営業時間が重なる各店の店主らが、互いの店で食事し合う機会は「ほぼ皆無」だったという。
 食事後、コーヒーを片手に気軽に意見を交わす参加者からは「視察を通じてメニューの適正な価格帯を考えるきっかけになる」「参考になるサービスも多い」「うわさでしか聞こえてこなかった情報ばかり」といった声が上がる。カフェレストラン「アルペン」を営み、今季から組合長の山路紋香さん(43)は「一丸にならなければ生き残れない時代。ざっくばらんな〝ご飯会〟が店舗間の壁を取り除き、横のつながりを育めているのでは」と手応えを話す。
 木祖村は、スキー場の将来のあり方を探る検討会を設置している。関係店舗が連携し、生き残りに向けて頑張っている姿を、村へのアピールにもつなげたい考えだ。