4月の松本での震度4 外国人客の6割が「初めての地震」 松本大教授や学生がアンケート

松本大学(松本市新村)地域防災科学研究所の入江さやか教授(61)と、入江教授のゼミ生で観光と防災をテーマに取り組む3年生の松澤尚弥さん(20)の2人は、4月18日に松本市で震度4を観測した地震について、翌19日に松本駅で外国人観光客30人に実施した緊急アンケートの結果をまとめた。6割が地震を初めて経験し、スマートフォンで多くの人が情報収集したが、多言語での情報提供が不十分だった実態が明らかになった。
県北部を震源とする最大震度5弱の地震で、アンケートには11の国・地域から訪れた人が答えた。地震が夜だったため半数以上が宿泊施設におり、揺れが収まった後は22人が「スマートフォンで情報を収集しようとした」と答えた。宿泊施設の対応を聞いたところ、「何もなかった」施設もあれば「部屋に来て地震が起きたことを教えてくれた」施設もあった。
観光庁監修の外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」を利用した人や、宿泊先の従業員に地震について聞いた人は、いずれも2割にとどまった。約7割は「スマートフォンやパソコンで地震に関する情報を多言語で提供してほしい」と回答した。
入江教授は、アンケートは「災害を体験した外国人観光客の貴重な生の声」とし、「何が起きているのか把握できていない人に、地震だと知らせる手だてが必要」と話す。同アプリのインストールを促すことがすぐできる対策とする。一方、松澤さんは「通信機器が利用できないことを想定しなければならない」とし、ホテル従業員らがプラカードでいち早く事態を知らせる方法も提案する。今後は観光関連団体などにも聞き取りし、外国人に対する防災対策の強化につなげたい考えだ。