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標識や路面標示見にくく右折禁止違反が多発  「まつもと道路交通考」改良ファイル⑥笹賀橋の西詰交差点

 松本市笹賀の県道松本環状高家線の奈良井川に架かる笹賀橋の西詰交差点は、橋を渡ってきた車は奈良井川左岸の堤防道路への右折が禁止となっているが、違反する車が後を絶たない。違反車のドライバーは「右折禁止だと全く気づかなかった」と口をそろえており、現場を調べると複数の要因があることが分かった。

 橋を西に向かって渡ると、西詰交差点直前の歩道の左側に、青地に白抜きの直進の矢印が描かれた「指定方向外進行禁止」の標識が設置されている。標識の横には補助的に「右折禁止」の看板もあるが、白地の上に白い反射材のテープで文字が書かれており、夜間はヘッドライトに照らされると文字が黒く浮かび上がるものの、日中は全く見えない。
 交差点手前の路面にある直進の矢印表示も一つしかなく、下り傾斜の途中にあるため、橋の中央部付近からではほとんど見えない。前を走る車の陰に路面表示が隠れて見えないことも多々ある。
 道路右側には「右折禁止」の文字が見える看板があるが、風景に溶け込み、前方を見ているドライバーが認知するのは困難だ。
 交差点で右折しようとするドライバーは、右前方奥の対向車の動向を注視する。車道沿いではなく歩道の左側に設置された「指定方向外進行禁止」の標識は見落としやすい。
 ドライバーからは「右折禁止と気づけば違反はしない。規制の表示は誰でも一目で分かるようにするべきではないか」と不満の声が聞かれる。道路左側の老朽化した「右折禁止」の看板を日中も文字が見えるものに交換することや、路面に直進の矢印表示を増やしたり「右折禁止」と書いたりする改善が望まれる。
 県警交通規制課は「県松本建設事務所と対策を検討したい」としている。