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漆塗り映える限定ギター 塩尻の岩原裕右さん フェンダーの製品に施す

 塩尻市木曽平沢の漆塗り職人・岩原裕右さん(45)が、世界的な楽器メーカー・フェンダーのエレキギターに漆塗りを施した特別モデルが、6月26日に限定販売された。東京都にある世界初の旗艦店「フェンダー フラッグシップ トウキョウ」の開店1周年記念の製品として、木曽漆器を代表する伝統的な技法で制作した。

 「木曽堆朱」と呼ばれる技法の中で、黒漆を塗り重ねる「堆黒」を施した。11回塗り重ねて、紙やすりで平滑に研いで磨き、独特な層の模様を作り出してある。岩原さんは「立体的で複雑な形のボディーにどうすれば均一に塗れるか」を考え、漆の調合、型置き、塗り、乾燥、研ぎの全工程で追究したという。
 フェンダー・ミュージック(東京都渋谷区)の声がけで、フェンダー社の漆塗りギターを制作するのは2度目となる。岩原さんは「木曽漆器の技法を採用していただけたことに感謝している。産地のPRになり、地元で頑張る職人たちにとって底上げになる」と話している。限定ギターは49万5千円(税込み)。旗艦店では1周年記念の催しが7月2日まで開かれ、漆塗りギターは7月10日まで特別展示されている。