連載・特集

2024.4.16 みすず野

 小説家の浅田次郎さんは、体重が10キロ増加した。「私は宿命的に肥えてゆくのだと悟った」(『見果てぬ花』小学館文庫)。それが2カ月で5キロの減量に成功、その後4カ月、全くリバウンドがない。仕事量は変わらず、1日の歩数は平均1300歩のまま◆発端は節分の硬いいり豆を年齢分は食べられないと、豆ご飯にしたこと。これが大層美味で10日間食べ続け、体重を量ったら2キロ減。大豆ダイエットというやつがこれかと思いながら続けている◆なぜ、肥満やメタボが問題か。それはごく最近になり大量の砂糖や脂肪が手に入るようになったが、食べ過ぎへの対処法を体が備えていないからだと、人類学者の長谷川眞理子さんはいう。「私たちが本来どんな環境で暮らしていたのかを知ることにより、今の社会の現状が、そこからどれほど『ずれて』いるのかがわかるだろう」(『自然人類学者の目で見ると』青土社)といい、ずれを直すヒントもそこから得られるはずだと◆昨夏知って始めたダイエットは、大豆と同じように無理のない方法。すぐ5キロやせたが、1キロリバウンドしてそのまま。ここからどう減量するか。なかなか難しい。