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相次ぐ雪でレタス定植遅れ 苗の廃棄や出荷への影響懸念

岩垂さんのビニールハウスで定植を待つレタス苗

 2月以降に松本地方で相次いだ降雪で、県内有数のレタス産地の塩尻市洗馬で、定植作業が2週間前後遅れている。残雪やぬかるみによって畑の畝に被覆資材を敷くのが間に合わず、ビニールハウスで育てた苗を植えられない―といった影響が出ている。出荷時期が他産地と重なり、市場に出回る量が増えることで、販売単価が下がるのを懸念する生産者もいる。

 洗馬岩垂の岩垂聡さん(66)は、2月25日の定植開始を予定していたが、同日の雪で中止になり、「出はなをくじかれた」と顔をしかめる。作業は3月1日に延期したが、2月29日からの雪で再度の予定変更を余儀なくされた。
 3月10日ころにようやく定植を始められたが、12日の雪で畑がぬかるんでおり、作業が難しい状態だ。サッカーJ3松本山雅の試合の応援に行くため、一部の畑で被覆資材を早めに敷いていたことだけが救いで、「山雅のおかげ」と苦笑する。
 ビニールハウス4棟のうち3棟で、1月から育ててきた苗が並ぶ。定植待ちの苗がとどまっているため、ハウスにある苗は例年のこの時期より1棟分ほど多い。大きくなりすぎると畑への定着が難しくなるため、生産者仲間からは「さらに雪が降ったら、育った苗を捨てなければいけないかも」と危惧する声も聞かれる。岩垂さんは「お天道さまのご機嫌がこれ以上悪くならないでほしい」と祈っている。
 JA洗馬によると、いまだに被覆資材が敷けていない生産者も少なくない。ハウス内をこまめに換気することで温度を低めに抑え、苗の生育を抑制することなどを指導している。営農担当の佐原果緒里さん(26)は「雪の影響で困っている生産者をしっかりとサポートしていきたい」と話している。

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