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建物とアートの一体空間 旧松本市立博物館で建築芸術祭 きょう開幕

吹き抜けの空間につり下げられたカラフルな作品

 建築物とアートを組み合わせたマツモト建築芸術祭(実行委員会主催)が23日、松本市の旧市立博物館で開幕する。3回目で国内外の17組が参加。新博物館開館に伴い解体が予定されている建物が会場となる。歴史を刻んだ空間を生かした表現が展開される。3月24日まで。

 開会式典が22日に旧市立博物館であり、実行委員長の齊藤忠政・扉ホールディングス社長は「アートと向き合う時間をつくってほしい」と呼び掛けた。総合ディレクターのおおうちおさむさんは、過去2回は街中を巡る形で開催し、古い建物の価値を見つめ直したと振り返った。今回は「壊される建物。そこでアート展を行うのは、これまでと真逆のこと」と指摘し、「どれだけ皆の記憶に残せるのか。違う使い方をして惜しまれつつ終わらせる形ができれば」と述べた。
 3回連続参加となる松本市出身の広告写真家・白鳥真太郎さん(76)=東京都港区=は、20年以上前に撮影し、東京・原宿の「ラフォーレ」の企業広告となった写真を展示した。「遊び心があり、アートに近い広告があった。若い人にも面白いと思ってもらえれば」と話した。
 ドイツ出身の写真家カンディダ・へーファーさん、音楽活動とともにアート作品を手掛ける藤井フミヤさんらが初出展。白鳥さんのほか、中島崇さん、鬼頭健吾さんが3回連続となる。
 午前10時~午後5時。入場料は一般2000円、高校・大学・専門学校生1500円。中学生以下無料。23日午後6時から新市立博物館で参加作家の1人、河合政之さんのライブがある。ライブは観覧無料。