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人気漫画原作の映画「沈黙の艦隊」 塩尻出身の小宮山さんが撮影

暗い船内で撮影に臨む小宮山さん

 塩尻市出身のカメラマン・小宮山充さん(54)=東京都=は、29日に全国の劇場で公開される映画「沈黙の艦隊」の撮影を担当した。実写化不可能ともいわれた人気漫画が原作の映画で、小宮山さんは市民タイムスの取材に対し、「カメラマン人生の中で集大成といえる作品」と手応えを語る。

 「沈黙の艦隊」は海上自衛隊一の操艦技術を誇り、日本初の原子力潜水艦「シーバット」の艦長に任命された主人公・海江田四郎が、反乱逃亡を起こすところから始まる物語だ。海江田役の大沢たかおさんのほか、玉木宏さん、上戸彩さん、ユースケ・サンタマリアさん、中村倫也さん、江口洋介さんら豪華俳優陣が出演する。
 原作は漫画家・かわぐちかいじさんの同名の漫画で、週刊漫画雑誌「モーニング」で、昭和63(1988)年~平成8(1996)年に連載され、累計発行部数は3200万部を誇る。
 映画「キングダム」などを手掛けたプロデューサー・松橋真三さんからオファーがあり、撮影を引き受けた。ドイツ製の最新カメラと最高峰のレンズを組み合わせ、潜水艦のシーンは明るさを抑えながら人物がはっきり分かるようなライティング(光の調節)を考えたという。劇中に登場する水浸しのシーンは冬場に撮影したが、水温を上げ過ぎると湯気が出たり、レンズが曇ったりするため、湯気の出ないぎりぎりの低温を維持しながら何日もかけて撮影に臨んだ。
 小宮山さんは「実写化不可能といわれた作品の撮影ができたのはうれしかった。ストーリーもとてもよくまとまったエンターテインメント作品。本物の潜水艦の迫力を、劇場の大スクリーンで見ていただきたい」と語る。
 小宮山さんは塩尻中学校、信州工業(現東京都市大塩尻)高校卒。東京写真専門学校で学び、都内の映像制作会社勤務を経て、平成14(2002)年にカメラマンになった。
 松本地方では、松本シネマライツとイオンシネマ松本で上映される。