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国道158号新入山トンネル着工へ 既存道・ダム近接 難工事に

大白川トンネル内から見た、新入山トンネルを掘削する斜面。コンクリートで補強している

 松本市奈川~安曇の国道158号バイパス事業「奈川渡改良」(延長2・2キロ)は、事業進捗率が6割を超えた。大白川トンネル(約1530メートル)の貫通と大白川大橋(約80メートル)の架設が5月末までに完了した。残るは新入山トンネル(約400メートル)の建設だが、既存のトンネルがY字に分岐しダムにも近接する山中を掘削する難工事で、国が慎重に調査設計をしている。

 トンネルの道幅は12メートルで、大型車のすれ違いが困難な既存トンネルの約2倍になる。大白川大橋の工事では谷間に大型クレーンを置けないため、中央の1本の橋脚から両側に橋桁を継ぎ足していく「やじろべえ式」の工法を採用した。
 新入山トンネルの工事に向けて国土交通省は6月上旬、ルート上にある既存のトンネル背面の地中構造や岩盤を調べた。掘削の影響度や、国道を全面通行止めにする期間をどう短縮するかなどを検討しており、年度内に工事に入る可能性もある。国交省長野国道事務所の担当者は「ここまでは順調に進んでいる。地元の期待に応えられるように、安全第一に進めていきたい」と話している。
 奈川渡改良は平成23(2011)年度に事業化し、28年3月に着工した。完工時期は未定。総事業費186億円。