自動運転田植え機 麻績で実演

麻績村の市野川棚田で19日、自動運転田植え機の実演会が開かれた。農機具販売業・関東甲信クボタ(本社・さいたま市)が県松本地域振興局農地整備課の仲介で協力した。村や地元農業関係者ら約20人が集まり、スマート農機を駆使する次世代型の農業に理解を深めた。
農機具メーカー・クボタ(本社・大阪市)が開発した自動田植え機「NW8SA」が持ち込まれた。衛星利用測位システム(GPS)アンテナや各種センサーを備え、水田を周回して地形を登録すれば最も効率のよい手順を割り出して自動で田植え作業を行う。
約7・4㌃の水田で、8条植えの無人の田植え機が自在に動き、手動運転の半分ほどの13分で苗を植え終えると「速い」「角部分の仕上がりがきれい」などと感嘆の声が上がった。
関東甲信クボタによるとNW8SAの価格は約700万円で、同クラスの手動運転式の田植え機より150万円ほど高価。同社中部事務所(松本市和田)の春日敏彦担当部長は「まずは機体を知って関心を持ってもらうことが大切」と話す。
村などと共に実演会を企画した地元有志の農業団体「OMIMO(おみも)」の久保田芳永代表は「農作業の負担軽減やスピードアップは農家の収益増をもたらし、若い担い手にも魅力となる。中山間地の持続可能な農業につながるよう、行政のサポートも期待したい」と話していた。