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「カラオケ以上、合唱未満」歌う喜び共有 松本市波田文化センターが新企画

中村さんのアドバイスを受けながら、楽しく声を重ねる参加者たち

 カラオケ以上、合唱未満をうたった新企画「うたの楽しみ」が18日、松本市波田文化センターで始まった。歌は好きだけれど、合唱団に入って本格的に究めるにはちょっと...という人にも、音楽的な知識や表現のワンポイントアドバイスを受けながら肩肘張らずに楽しめる機会をと同館が主催。大勢で共に歌うことが難しかったコロナ禍を経て、歌う喜びを皆で共有する。

 県合唱連盟理事長の中村雅夫さん(63)=松川村=を講師に、初回は45人が参加した。
 音譜が読める人も読めない人も、楽譜を手に歌うことが企画の一つのこだわり。「次の音が上がるのか下がるのか、地図と同じですよ」という中村さんの言葉を念頭に「花」や「茶摘み」など春から初夏にかけての6曲をピアノ伴奏で歌った。
 呼吸や発声、発音、歌詞の内容から作曲家のエピソードまで、明るく楽しく朗らかなアドバイスを受けながら歌い続けると、参加者たちの声は次第と伸びやかに。松本市今井の長谷川航一さん(78)は「とても楽しかった。次回はもっと男性参加が増えたらいいなぁ」と満足げだった。
 市民参加型の事業を模索する中で企画された。「難しく考えず、でも音楽的な視点を得ることで歌う楽しみがもっと広がるはず」と担当の伊藤正美さん。中村さんは合唱が大きな制約を受けたコロナ禍を振り返り「心から歌う喜びを実感できる今年は歌声新元年。歌で心と体が元気になれば街全体が元気になるはず」と話している。
 開催は2カ月に1度で次回は7月20日午後1~3時。参加費は各500円。問い合わせは波田文化センター(電話0263・92・7501)へ。