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御嶽海、一場所で幕内返り咲きへ 大相撲夏場所千秋楽

欧勝海(左)に寄り切りで敗れた御嶽海(スポーツ報知)

 大相撲夏場所(東京・両国国技館)千秋楽の25日、上松町出身で東十両筆頭の御嶽海(出羽海部屋)は、東十両9枚目・欧勝海(鳴戸部屋)の速い相撲に屈し、寄り切りで敗れた。10年ぶりに幕内の地位から十両に陥落して臨んだ場所を8勝7敗で終えた。前日14日目に6場所ぶりの勝ち越しを決めていた御嶽海は、一場所での幕内返り咲きが確実。名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の新番付は6月30日に発表される。

 十両の土俵は、角界入り1年目の平成27(2015)年に2場所経験して以来だった。初顔合わせの年下力士を相手に後手に回る場面が目立ち、なかなか乗り切れず、8日目まで黒星と白星が交互に続いたが、2度の連勝で持ちこたえた。連敗が一度もなかったのは、新大関場所だった令和4年の春場所以来で3年ぶりだった。
 木曽相撲連盟の元会長で、御嶽海が相撲を始めた小学生の頃から成長を見守ってきた三村喜一郎さん(93)=木曽町新開=は「復活の道が開けた」と再入幕が確実な状況に目を細めた。「粘り腰を発揮できないことも多いが、一発勝負の地力は垣間見えた。経験や技術といった蓄積あってこそ」と振り返った。
 来場所に向けて「稽古を積み重ねないと鈍ってしまうことを忘れないで」と注文。「最後はとにかく気力。『この一番をどうしても取らなければいけない』という強い気持ちがふつふつと湧いてくる御嶽海であってほしい」とエールを送った。