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火渡りに願い込め 筑北の岩殿寺で荒行

熱さが残る灰を踏む参拝者たち

 筑北村坂北別所の岩殿寺で31日、無病息災・家内安全を願う天台宗密教の荒行「火渡り護摩」が行われた。うららかな春の日差しの下、新型コロナウイルス禍前に近い約300人が村内外から訪れた。積み上げられた杉の枝葉や祈願木を燃やし、残った灰の上をそれぞれ願いを込めてはだしで歩いた。

 同寺の細野順伸大住職(前住職)、順諦住職ら山伏姿の僧侶6人が、空高く上がる炎を前に法要を営んだ。参拝者たちは、僧侶に続いてはだしで熱々の灰を踏んだ。小さな子供は「熱っ、熱い!」と声を上げながら駆け抜けていた。
 新年度から筑北小学校に入学する地元の山本夏輝君(6)は、妹の詩乃ちゃん(4)と共に参加し「灰の上を歩いていたら途中からすごく熱くて思わず走っちゃった」と苦笑いした。母親の明里さん(31)は「私も子供の頃に参加した行事。健康で元気に育ってほしい」と願った。
 法要では村内外の幼児・小学生16家族が参加し稚児行列なども行われた。