連載・特集

2023.8.1 みすず野

 あんまり暑いのでビールの話題にしようと、図書館で手にした本の巻頭が漫画家・東海林さだおさんの「生ビールへの道」。炎天下の野球で汗をかき、早くビールが飲みたい。渋谷で一杯やろうとなる。電車で20分はかかる。目の前にそば屋があるのに(『アンソロジー・ビール』PARCO出版)◆焼き鳥屋に入った。オレ生の大、ボクは中でいいや。大4中3?いや中は4じゃない?火急のときは〈中を九つ〉でいいのだ。そうすれば、さっと出てくる。オレ手羽先いってみたいな、ボクはツクネ。〈アスパラ焼きってのもいいんじゃない?栄養のバランスもとれるし〉◆バランスならいつでも取れるの。いま問題なのは―その時!手羽もツクネもアスパラも9本でいこうと言う〈リーダー〉が出現した。やっと飲めると思ったら〈ツクネ九本ての、多くない?〉じゃあ5本、4本...身近にもありそうな場面◆ビールの話を書くのだった。学生時代に友達と四国の石鎚山から下ってきた。財布の中には青春18切符と計300円しかない。135ミリリットルの缶ビールを買った。一口で飲み干す。あれよりうまいビールを今日まで味わっていない。

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